臨床研究医の間所佑太(まどころゆうた)といいます。2010年に名市大医学部を卒業し、その後5年間、瀬戸市の公立陶生病院で初期研修・後期研修を行い、2015年4月から大学に戻ってきています。私は、未知の領域が数多く残されている神経の分野に興味があり、学生時代から神経内科医を志していましたが、今に至るまで一度も道を誤ったと思ったことはありません。神経内科学は、神経のみならず全身の臓器とかかわりをもつ学問です。神経内科を学んでいると、患者さん全体を見ようとする目が養われ、総合内科医としてのスキルも養われます。そういった目をお持ちの先生方ばかりの神経内科のカンファレンスは、非常にアカデミックで、毎回知的好奇心や探究心がくすぐられ、飽きることがありません。知識を積み上げ、患者さんを細かく診察し、診断を突き詰めて治療を行うまでのやりがいに、私は日々充実感を味わっています。
私は市中病院で研修を行いました。その理由は、まず研修医はcommon diseaseからでしょ、と思ったからです。確かにその通りだと思いますが、大学病院でも半数以上の患者さんはcommon diseaseで入院されます。また、今年から大村眞弘先生が赴任されたため、脳梗塞における血管内治療まで神経内科で行うことができるようになりました。大学病院なので、当然珍しい神経疾患の方も多く見えます。Common diseaseからrare diseaseまで、幅広く、かつ深く学ぶことができるため、研修には大変よい場所だと思います。
神経内科学は、現在ものすごいスピードで進歩している分野です。一昔前までは、「治療法がないから神経内科は診断学だ」と言われることもありましたが、現在はそのようなことはありません。治療可能な疾患はどんどん増えてきていますし、まだ治療法がない疾患についても、研究レベルで治療法が次々と開発されてきています。認知症やパーキンソン病などの変性疾患を治せる日が近い将来やってくると思います。私は、そのような分野にこそ自分が生きる価値があると思い、これから臨床・研究の分野で研鑽を積みたいと考えています。
当研究室は、松川教授をはじめ、臨床や研究、教育に対して非常に熱心な先生方が多く、また、医局員同士の仲も大変良いところです(優しい先生が多いです)。私は、平日はしっかりと仕事をこなし、休日はしっかりと遊ぶ、というスタンスが好きですが、神経内科ではそれぞれのプライベートや生き方を軽視するようなことはありません。まだ小さい医局ではありますが、新しい先生が毎年たくさん入局してくれており、これからますます発展していくと思います。いろいろな意味で、『明るい未来のある医局』だと思います。ぜひ私たち名市大神経内科の船に一緒に乗って、大海原を目指しましょう。お待ちしております。